遊備忘録

ここで泥を吐き出すことによって日常生活を保つことができます

抜擢

 

「大人になると、誕生日が楽しみではなくなる」

 

そう聞いてずっとまたまた、と思ってきた

 

 

 

歳をとるという事実は嫌ではない

 

むしろ早くとりたいと思っているのは変わらない

 

しかし今回は誕生日が憂鬱だった

 

 

今までは単純に人に祝ってもらえるイベントでしかなかったが、

 

その意味は

自分が生を受けた瞬間だと考えると皮肉なものだと思った

 

 

健康な身体、若さ、恵まれた家族や友人、不自由無い暮らし

 

 

この今の私という物体とそれを囲う環境を羨ましがる人は何億と存在するのだろう

 

 

1億前払いしてもらって、

一年後にこの肉体を捧げる物々交換ができたら良いのに

 

 

なんて妄想すらしている

 

 

実際に一億手にしたら生に執着するのかもしれないが。

 

 

 

 

小学3年生の時、隣の小学校に転校した

 

 

抵抗したが、犬を飼えるという条件にまんまと釣られ転校を承諾した

 

 

転校初日のことを未だにはっきりと覚えている

 

そして、転校先の小学校はその当時の私にとって厳しい環境だった

 

 

全体的にみんな気が強かった

 

というよりも食うか食われるか、と言った世界だったように感じた(私だけかもしれないが)

 

 

このままでは生きていけないと恐怖を覚えたことを覚えている

 

 

ストレスで学校に行けなくなった時期もあったし、

 

起立性調節障害にはなるし、

 

生きるって大変だなと思い出したのもその頃からだった

 

 

唯一の避難所である保健室には本当にお世話になりました

 

 

 

そうこうしている内に、気がつけば親に驚かれるほどの別人格となった

 

 

きっと今のルーツはここなのだろう

 

キャラクターという鎧を纏うことを覚えた

 

 

 

転校したことは自分にとって非常に良い経験だったと思う

 

 

 

喉元過ぎれば暑さ忘れるし

 

 

 

誕生日前日は朝から涙が止まらなかった

 

自分の欠陥を見つけては修正し、また水漏れしているところを補完しての繰り返し

 

 

この作業はいつまでやるんだろうという問いに対し、

 

「死ぬまで」という明確すぎる答えが瞬時に返ってくる

 

 

 

そしてこの努力は報われるのかと気が重くなる

 

 

現実問題、努力は報われない方が多い

 

 

思っているよりも現実は厳しい

 

そんな中で頑張り続ける事が嫌になる

 

 

 

気楽に生きろよ、といった意見は空気を食べているのと同程度である

 

 

 

人生が楽しく無いわけではない

むしろ楽しんでいる方である

 

 

全てを終わらせたくなる欲求とそれらは交わる事がないというだけ

 

 

 

私を生きる適任者は私だったのだろうか。