遊備忘録

ここで泥を吐き出すことによって日常生活を保つことができます

祈り

 

誰だって涼しい顔をして生きている

 

 

内側ではどれだけ汗だくでも

 

炎が燃え盛っていても

 

大きな渦に巻き込まれそうになっていても

 

たまに突沸が起きれば、仮面の強度に落ち込む

 

 

 

大人に近づけば近づくほど

 

痛い時に痛いと言えず、嬉しい時に嬉しいと言えない

 

「謙虚であれ」「動じるな」「努力を怠ってはいけない」

 

大人とはこうあるべきという暗黙の了解に従順になる

 

 

こうあるべき姿なんて

実際は自分のためではなく人様のためなのではないか

 

 

気づけば「こうしたい」ではなく「こうするべき」という思考に対し

 

何の疑いさえ持たずに従って生きていく

 

 

一度「こうするべき」の答え合わせをしてみると、意外とただの妄想だったり

 

解答を持っていればの話だが

 

 

妄想と現実の境界線は海岸線と変わらない

 

 

 

このままでは将来生きていけないかもしれない

 そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない

 

今まで生きてきたしどうせ何とかなる

 そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない

 

あの人は私のことを嫌っている

 そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない 

 

このまま一生独りなのかもしれない

 そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない

 

今の努力は実を結ぶ

 そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない

 

 

だから何だ

 

 

頑張って苦しんで耐え抜いた先に何も無いことだって五万とある

 

逃げて人に頼って縋りついた方が上手くいくことだってある

 

 

泣きたい時に泣き喚くのだって力だ

 

痛い時に叫んで何が悪い

引き摺るよりもずっとずっと良い

 

大事なのは振幅ではなく波長だ

 

 

 

人間はいつだって自分が正しいと考える

その性質を知っている者とそうではない者

 

声を上げた者だけの意見だけが反映され、あたかもそれが真実として染み込んでいく

 

 

得た痛みの分だけ他人の痛みが分かる

共感なんて言葉だけでは表せない程に

 

 

 

 

他人を優先する人間の自己中は美しい

 

 

 

強く生きなければ、なんて

 

がむしゃらに武器を持たずに戦うな

 

使えるものは使え

 

貴方には貴方の武器があるから

 

 

 

 

強く生きなければ生きられない世界ではなく

 

貴方が強い世界で戦えますように